直六国防挺身隊

母は来ました今日も来た。嫁をイビリに今日も来た。

とりあえずTPPに賛成してみました

TBSという事で、あまりアテにできないのですが。
オバマ大統領来日時に決着したTPP=環太平洋パートナーシップ協定をめぐる日米両政府間の基本合意の全容が明らかに」

だそーです。
そーですか。

TPPというのは、まあ大雑把に言うと、この協定を締結した国の間で、全ての関税がなくなるというモノですな。
いーんじゃない?輸出入時の関税分、買ったり売ったりするのが安くなるのですから、買う人も売る人も大いにハッピーです。

日本に限定して考えてみましょう。
日本が外国から買うモノは、資源・原料・食糧とかですな。ぶっちゃけ、完成品はあまり買わない。
日本が外国に売るモノは、自動車や家電や機械部品や鉄といった完成品。

TPPの参加国は現在、日本を含めて12ヶ国。アメリカばかりに目が行きやすいのですが、ベトナムとかオーストラリアとかいろんな国がありますな。
ベトナムは今後、中国に替わる日本の下請け工場国の有力候補の1つですね。
オーストラリアは、牛肉もそうですが、鉄鉱石やウランの産出量は世界トップクラス。
チリも入っているから、チリワインが安く飲めるかもしれない。スバラシイ。

さてさて。基本的にほとんどの日本の人々は、TPPによる恩恵に浴するのですが、困った問題がありますね。
そーです、食糧関係です。

1つは安全性。もう1つは国内食糧生産の維持です。

安全性は、どーしても水際で防ぐしかないですなあ。それが嫌な人は、相対的に高価な国産を買いましょう。それは、国民一人ひとりの自由です。てなワケで、安全性の問題はこれにて終了。

国内食糧生産の維持ですが、まあ、淘汰は避けられないでしょうな。
では翻って、国内の食糧生産量だけで日本人全員の糊口が凌げますかいな?
無理でしょ。今も輸入に頼っています。

ぶっちゃけ、資源や原料の国内産出量は実質ゼロですから、ハナからどーでもよろしい。

ところが、食糧は、中途半端にそこそこの量を自給しており、食糧生産で家族を養っている、農家・酪農家・畜産家という人が相応な数、存在します。その人たちの生活は?というのは、まあ、大きな社会的問題ですよ。
原則、少子高齢化・人口減少で、何をどうやっても、食糧生産者は減少し続けます。だから、食糧の海外依存度は今後、ますます増えます。

なにやら、都会での会社勤めに疑問を持ったりして農家に転身!みたいな人もいますが、実際に農業とかやってごらんなさい。全員とは言いませんが、挫折する人が多数派を占めるでしょうな。農業なめるなよ!です。

で、話は変わり。
日本みたいに、自国の自動車ばかりが走っている国って、非常に珍しいです。
なんででしょうね?「日本車が優れているから!」まあそうなのです。
自国の自動車が優秀なら、わざわざ輸入車を買う必要ありませんからな。

特に日本車は、日本人や日本の道路環境とかに適合するように作られています。だから、実用品として自動車を捉えているほとんどの自動車ユーザーにとって、他に選択肢がないのですな。
まあ、自慢したいとか、自動車に何らかのプラスアルファを求める人の一部が、ベンツとかBMWとか買うのでしょう。

想像してご覧なさい。
1週間前にオートマ限定自動車免許を取った、エコでスイーツな18歳の平均的女の子が、新車のコルベットとか買うワケないでしょ。

断言しますが、今後一切、アメ車なんか日本じゃ絶対に売れませんよ。

日本車みたいなアメ車なんてヒュンダイの二の舞です。
ちゃんとしたアメ車らしいアメ車ほど、一般的日本人の自動車ユーザーから最も遠い存在ですからね。一方、アメ車らしいアメ車でないと、日本の極一部のアメ車大好き人間たちのハートは掴めません。だから従来通り、カマロやダッヂが細々と日本に輸入され続けるだけなのです。

このように、TPP参加国の自動車メーカーに、日本市場で生きていく場はほとんどありません。つまり、TPPなど日本の自動車メーカーにとって全く影響ないですな。
むしろアメリカ以外の国々で円安・TPPを武器に、ヒュンダイみたいに日本車とキャラのかぶった自動車メーカーを駆逐しまくる可能性が大です。

何が言いたいかというと、食料も自動車になるしかないのです。
自動車は国内で完全自給自足が可能ですが、食糧はそれが非常に難しい。てか、無理。
海産物はまあ、島国ですからイイ線行くと思いますが、平たい地面が必要な農業・酪農・畜産は無理です。平地が少ないですからね、日本。

日本中の山って山を全部更地にしたら、ひょっとしたら可能かもしれませんが、まあ、やったが最後、環境保護団体の自爆テロで、日本人は絶滅させられるでしょう。

だから結局、最初に戻って日本産と外国産、どっちを選ぶかはその人次第。
その場限りの生きる手段だけでなく、安心・安全・品質といった付加価値を求めるのであれば日本産を買えばいいだけの話。そうした日本産を選ぶニーズが結構な数になり、日本の農業・酪農・畜産を維持するのに十分な市場になれば、なんら問題はないでしょ。

生産する側は、値段じゃどーせ勝てないんだと割り切って、自身のプロとしての能力で生き残りを図るしかないでしょうな。競争相手は、外国よりむしろ国内の同業者になります。

ならなければ、それまでという事。

「そうなるためにも、政府の援助が~、補助金が~」とかって、どーせ騒ぐ人や団体とか出てくるんでしょうな。
だから、アンタらはダメなんだよ。

例えば極端な話、日本の農家・酪農家・畜産家を国家公務員にします。
当然、生産者は自助努力をしなくなり、日本産のコメも野菜も肉も、質が落ちます。崩壊した社会主義国を見れば一目瞭然。
そんな日本産の食料品、国内外の消費者は誰も買わんでしょうなあ。
作るコストも税金なら、売れ残りを買い取って処分するコストも税金。ついでに、公務員である生産者たちへの、充分な給与と手厚い社会保障それで税金が足りなくなったので増税
善良な庶民の皆さん、これでいいのですかね?助成金だの補助金だのって、程度の差こそあれ、結局はこーゆー事ですから。

あー。台風が来ました。どっかの果物畑が壊滅しました。その畑の持ち主の爺さんが半べそかいている映像がテレビで流れました。観た人は「可哀想・・・」と思うでしょ。

ところがどっこい、真実は逆だったりします。

実は爺さん、果物畑なんかやめたくって仕方がなかったのです。だって、作っても作っても、ほとんど儲けが出ないからです。豊作だった場合など、売れば売るほど赤字だったりします。でも作らないと、飢え死にしてしまうので、嫌々ながら作っていました。
ところが台風のおかげで果物畑が壊滅、国からがっぽり補助金が出ます。これで安心して老後を暮せる資金ができ、すっぱり農業から足を洗えましたとさ。めでたしめでたし。

これが、実態だったりします。

こうした問題を含め、日本の農業・酪農・畜産はどうすれば良いのか。
流通システムの抜本的改革?株式会社制の導入?外国人労働者の活用?
知らんがな。
農林水産省や当事者で答えを見つけてください。それができない限り、日本にはイラナイ子です。非常に嫌な事ですが、もはや時代も世界もそーゆ流れから逃れられないので、諦めてくださいです。

とまあ悲観論的な殺伐とした事を書いてみましたが、実は私の見立てだと、TPPになっても今とそんなに変わらんと思いますよ。

理由は、元々安い輸入食品がさらに安くなるだけで、日本産はお値段据え置きでしょ?

つーか、円安だの、、国際情勢など諸々加味して考えたら、関税で安くなった分なんて相殺されて、あってもなくても一緒じゃん!みたいになるかもしれません。

つまり、そーゆー事です。