直六国防挺身隊

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引き算は大事

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新品のゴムです。
何のゴムかと言えば、ラジエターコアのゴムです。
自動車的には、メッキバンパーの傷防止用のゴムっぽいゴムです。
まあZ/KZ1300を横から見たらラジエターコアが黒いじゃないですか。全部このゴムのせいです。
と、そんだけ車輌の美観を保つために必要なゴムなのです。

Z/KZ1300のこのゴム、2種類ありまして。
A1・2・3には土手っ腹に四角い穴が開いています。何でかと言うと、その穴にオレンジ色のリフレクターが嵌るから。
で、本日届いたこのゴムには穴がありません。A4以降のゴムだからです。
つまりA4以降のZ/KZ1300のラジエターコアには、リフレクターが付いていないのです。
スバラシイ。

基本的に私、リフレクターに限らず、オートバイのウインカーとかテールランプとかメーターとかインジケーターとかイグニッションキーとかバックミラーとかハンドルスイッチとかヘルメットホルダーとかキライです。
だってダサイもん。

こうした蛇足的なダサダサ部品がない点も、本物のレーサーやチョパーをカッコ良くしている1つの要因です。
いわゆる「引き算の美」ですな。俳句とか禅画みたいなモノです。まあ、そんなに大層なモンでもありませんが。

いずれにしても、走行する上で必要最小限度の物だけ残して、後は捨て去るみたいな、高尚な精神性の発露でしょうかねえ。究極の機能美であるレーサーは必然であり、芸術作品であるチョッパーは表現として、あのように何も付いていないのです。

そうそう、チョッパーには「スーサイド」という恐ろしいモノがありまして。
これ、フロントブレーキがないジョッキーシフト車の事です。さてスーサイドのオートバイって、どうやって坂道発進するんでしょうね?世界の七不思議です。

まあ、昔のハーレーのフロントブレーキって坂道発進用のオマケみたいなもので、基本的にリヤブレーキで止まるようになっています。それで「オートバイはフロントブレーキで止まる」との固定観念に毒された、無知で愚かな日本人オートバイ乗りが、「ハーレーのブレーキは止まらない」などとワケのワカラン妄言を垂れ流すのです。
お前らがハーレーの乗り方知らんだけじゃい。ショベルのバナナキャリパー、ちゃんと止まるぞ。あくまでリヤ限定ですが。
まあ、そのせいで私、今でもリヤブレーキだけで止まるクセがあります。

そんなワケでして、チョッパーな人達ってフロントブレーキ不要論者が多いのよね。
だから、「リヤがあるからフロントは要らん。片方だけレバーが残るのも潔くないからフットクラッチだ」ってんで、
こーゆー狂ったオートバイが生れたのでしょうなあ。そしてその狂いっぷりに恥じないくらい、スーサイドって滅茶苦茶カッコ良いです。
それになんとなく、アメリカって坂道が少なそうだから、スーサイドでもあまり困らんのでしょうなあ

悲しい事に、日本の公道を走る上での法律に適合するには、ダサダサ部品のいくつかを装備しなくてはなりませぬ。
で、可能な限り、ダサダサ部品を自分のオートバイから排除・最小化するのが私の正義です。

Z/KZ1300は、物質的豊かさばかり追い求め精神的に堕落した高度成長期の日本を具現化した、典型的な足し算オートバイです。
その意味で歴史的資料価値が高い産業遺産として非常にケッコーな事ですが、私の美意識としては得体の知れない装備がイロイロあるのは辛いのです。なんだよウインカーのオートキャンセルって?意味ワカラン。
こーゆー意味不明な装備をすべて排除するのも、Z1300の復活には不可欠な極めて重要な取り組みです。

いずれにしろ、ダサダサなリフレクターを排除すると同時に、新品ゴムで外観の美しさもグレードアップする事となり、非常に機嫌がいいのであります。
まあ、完成したらの話ですが・・・。