直六国防挺身隊

母は来ました今日も来た。嫁をイビリに今日も来た。

極めて限定的なオートバイ好きのため「だけ」の小説⑦

ガンガンガン。
「誰だ~?」
「お前のあんちゃんだよ」
「あんちゃん?嘘だろ~」
「あんちゃんだよ」
「ホントか~?」
「ホントだよ」
「じゃあよう、答えてみろ」
「何を?」
「うんとねえ、夜の公園でカップルがチューをしていました。どうするのが正しいのでしょう?」
「男はソッコー殺して、女は強姦してから殺す」
「やっぱりあんちゃんだ~!」
ガラガラガラ。
 
黄色いツナギを着た750SSが嬉しそうに鋼鉄製の引き戸を開けると、赤いツナギ姿の500SSが中に入ってきた。
 
「あんちゃん、実はボク、忙しいんだあ」
「何してんだ?」
「コレ」
750SSが指差した先には、昨夜2人が誘拐してきたOLの惨殺死体が床に転がっていた。
 
「うんとねえ、さっきコイツにチンポをしゃぶらせていたんだ~。そしたらコイツ、歯を立てやがったの。で、痛くてムカついたから包丁でメッタ刺しにしてやったんだ」
「あはははははは」
2人は笑い出した。
 
「そんでね、でもね、もよおしていたから、とりあえずコイツのマンコにチンポを入れようとしたんだけど、昨日の夜と違ってゼンゼン入らないんだよ。で、さっきからがんばっているんだ~」
死後硬直ってヤツですね。
 
500SSは、途中から750SSの話を全く聞かず、「ブウ~ン、ドカン、バババババ~」と意味不明な奇声を上げながらOLの死骸の乳首をペンチで摘み、むしり取っていた。
 
「あんちゃん、あんちゃんってば~!750SSはすがるように500SSに助けを求めた。
「あ、あ~ん?」と、我に返った500SSが返事をした。
「ねえ、どーすれば入るかなあ?」
「お前はバカだなあ」
「え、あんちゃん、どーすればいいのかわかるの?」
「簡単だよ~入らないって事は、穴が小さいからだよ。だから穴を広げればいいんだよ」
500SSはツナギの尻のポケットに突っ込んでいたオートマグを手にすると、OLの死骸の股間銃口を向け引き金を引いた。マグナム弾が、OLの下腹部を抉り取った。
 
「これで大丈夫だ。やってみろ」
「やっぱりあんちゃんは天才だ~!よいしょ、よいしょ」
 
・・・・・・・・。
 
「どーだー?」
「ダメだよ~今度はガバガバ過ぎるよ~」
「じゃあ、コレもうダメだなあ~」
そう言うと500SSはオートマグの銃口を再びOLの死骸に向け何度も引き金を引いた。
その様子を見た750SS、おもむろに尻ポケットに突っ込んでいたデザートイーグルを手にすると、OLの死骸に向け乱射した。
 
「あはははははは」
兄弟の狂った笑い声が響いた。
 
やがてOLの死骸だったモノは原形をとどめず、単なる血みどろの肉塊に変わった。それを見た500SSは、「OLを拉致ってくると~」と、素っ頓狂な声を上げた。
750SSは「挽肉がたくさんできます!」と応じた。
「よ~し、今日の晩御飯はハンバーグだ~!あははははは」と2人揃って笑いながら宣言した。
 
「おい、もういいか?」
500SS750SS 兄弟による凶行の一部始終を、部屋の片隅で黙って見続けていたGPZ750 ターボがウンザリした口調で2人に話しかけた。
 
500SS750SSは、何も言わず声のした方向に手にした拳銃の銃口を向け引き金を引いた。
 
「おいおいお前ら、どこ狙って撃ってんだ?」
2人の背後からGPZ750ターボの声がした。

つづく