直六国防挺身隊

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軽自動車のダッシュボードをぬいぐるみで埋め尽くす神経ってスゴイ

[東京 29日 ロイター] - スズキ<7269.T>の鈴木修会長は29日、自動車取得税の廃止に伴う代替財源として軽自動車税増税するとの議論が浮上していることについて、「弱いものいじめと感じる」と語った。
 
と、スズキの名物爺さんがおっしゃったそうな。
この記事に関する閲覧者の皆さんのコメントもざっと目を通しました。
 
まあ、もろもろヘンですな。
 
基本的に日本は消費税が諸外国に比べ安い。だから、自動車関係諸税が高い。
自動車関係諸税が安い国は消費税が高いか、社会保障とか未発達で「自分のケツは自分で拭け!」というノリ。
どっちが良いのかはワカリマセン。
 
日本の自動車関係諸税の問題点は、高い・安いではなく、矛盾だらけの税制構造です。
 
例えばガソリンや軽油の税金。
ガソリンの小売価格に揮発油税という税金が含まれています。この税金込の小売価格に消費税が掛かります。
つまり、税金に税金が掛かっています。納税行為って消費活動でしたっけ?
いわゆるダブルタックスの問題ですな。
 
この理屈だと、例えば100円の物を買おうとします。
消費税が掛かるから105円となるので、この105円に消費税が掛かるので110円25銭となり、再び消費税が掛かるので115円76銭となり、再び消費税が掛かるので・・・という事になってしまい、永遠に商取引が成り立たないため日本経済は停滞します。
 
まあ、ガソリンの税金については暫定税率、今は名前が変わっていますが、これも未だに続いています。
全然「暫定」じゃない。
 
そもそも道路の維持・管理・補修・整備とか、自動車を安全・快適に走らせたり、運転しない人とかに迷惑をかけないために使うお金だから、自家用・業務用に関係なく、自動車ユーザーみんなでお金を負担しようというのが自動車関係諸税の大義名分というか存在理由なのに、なんか一般財源化されている。
 
社会保障とか国防費とか教育費とか、そりゃお金が掛かるし、税金で負担するのは当然だけど、なんで目的税であるはずの自動車関係諸税を流用するかしら?
 
「自動車を所有する事は、過剰に社会全体に負担を強いて秩序を乱す犯罪一歩手前のイケナイ行為だから、そのペナルティとして余計に負担するのが、税の公平性を維持する上で不可欠である!」という理屈なのかしら?
つまり、軽トラに乗ってる農家の爺さん・婆さんや、バス屋さんや、タクシー屋さんや、トラック屋さんは不逞の輩であり、非国民なのです!・・・て事なのかしら?
 
つーか、バスやタクシー、国内輸送の8割以上を担っているトラックなど、日本国国民の生活を支えているワケで極めて公共性が高いのだから、彼らの事業税とかを広く国民全体で負担するほうが「税の公平性」に資すると思うのですが。あ、別にバス業界やトラック業界の手先じゃありませんよ、私は。
 
結局、高い・安いの問題ではなく、こうした制度として矛盾が多過ぎるから文句が出るのです。逆に、その辺を指摘せず「増税だからケシカラン!先に国会議員の給料を下げろ!」ってだけの意見は、単なる税負担をしたがらないワガママちゃんの感情論に基づいたエゴです。
文句を言うのなら、プロのユスリ・タカリを見習い、そう思われないように頭を使いましょうです。
 
つまり、同じ金額を納めるにしても、もっとみんなが納得できる制度にすれば良いのです。
文句を言ったら「それはアンタのエゴ」と一言で終わらす事ができる、そんな自動車関係諸税にすれば良いのです。
 
話を戻すと、こーしたヘンな自動車関係諸税の1つが「軽自動車税」なのです。
「なんでヴィッツが毎年3万円ぐらい税金払わないかんのに、ワゴンRは7200円なんだ?」という事です。
 
この問題の解決方法は2つ。
1つは普通自動車の税金を下げる。
もう1つは軽自動車税を上げる。
 
日本政府に限らず世界中、どこの政府も法人も個人も、一度手にした既得権は絶対に手放しませんから、普通自動車の税金は下がりませんです。
だから、軽自動車税が上がるのは当然の帰結でしょう。
 
アメリカに言われたからって情けない」という意見について。
属国なのだから仕方がないのです。
 
「高級車とかからもっと取れ」という意見について。
そこで消費税ですよ。1000万の高級車なら50万なのに、100万円の軽自動車なら5万の税負担で済みます。
まあ、毎年支払う税金ですから、購入時のみの税金を引き合いに出すのもヘンですな。
つーか、大排気量車の税金を上げたら、アメリカが誇るリンカーンもハマーも日本ではますます売れなくなってしまいます。そんな小賢しい事を属国がすれば、アメリカ様は容赦なく永田町にデイジーカッターをブチ込むでしょう。
まあ、それはそれでスバラシイですなあ。
 
「地方では低所得者でも自家用車は絶対必要なライフライン」という意見について。
本丸はこれです。
 
記事に対するコメントで正鵠を射たのが、「自家用車の普及により、地方公共交通機関は息の根を絶たれた。それをもろ手を挙げて歓迎したのは地方の皆さんじゃないですか。自分たちが選んでおいて今さら被害者面というのはチョット虫が良すぎませんか?」というものです。
 
そーなんですよね。それを増長したのが軽自動車税なのですよ。
そもそも軽自動車に対する優遇措置とは、かつてのアドルフ・ヒトラーが推し進めた「国民自動車計画」と同じ、全ての国民が自家用車を所有できるようにするためです。でも、この政策って高度成長期の政策です。
で、皆さんもご存じの通り、不況だ財政破綻だなんだと騒いでいますが、今や日本は国民一億総自家用車天国。
政策の目的はとっくに達成したのです。なのに、当時の税制がそのままはオカシイのです。悪名高き暫定税率と同様、即時撤廃するのがスジなのです。
 
とは言え現実問題、地方には自家用車がなければ生活できない年収200万~300万の世帯が存在するのも事実。実際、私の近所にもボロ家の庭先に軽自動車がうじゃうじゃ停まっていたりするです。
 
てなわけで、やはり軽自動車税増税については、都市部と地方で格差をつけざるを得ないでしょうな。都市部は2万円、地方は据え置きみたいな感じで。
でもそれはあくまで、段階的な時限措置にするべきでしょう。時間を稼いで、その間に地方公共交通機関を再生させるのが、まあ、現実的じゃないですかね。実現できるかどうかは別ですけど。
 
そーゆー意味で今回の軽自動車税増税を機に、自動車関係諸税の抜本的見直しと、地方に限らず日本の公共交通機関のあるべき姿についての議論が同時進行で活性化することに期待したいです。
まあ、廃案となってしまった交通基本法の成立に結び付くと良いのですが。
 
「スズキが大変だ!」という意見について。
まあ、スズキの名物爺さんの発言意図はこれでしょうな。
どーでも良いです。私、軽自動車キライですし。
 
そもそも660ccのエンジンで、人間が4人乗って時速100キロで走るのだから、メカとしてかなり無理している乗り物です。
ターボ(過給機)で無理やりパワーを引き出して、安全装備やらなんやらで重量過多だから、ちゃんと走る軽自動車ほど燃費が悪いのは当たり前。全くエコじゃないです。
 
ターボなしだと、ホント、マジで、悲しくなるぐらい走らんです。高速道路とか走りたくないです。
小さいから取り回しが良いとか言いますが、基本的にベンツのSクラスやキャデラックでぶつける人は、軽自動車でもぶつけます。そもそも軽自動車でなければ通るのが困難な道路は、配達やその道路に自宅が面している人以外、通らなければ良いのですし。近道だからと目くじらを立てずに、もっと心にゆとりを持ちましょう。
ゆとり教育の復活、お願いしますです。
 
「充実の安全装備!」とか宣伝文句で謳っていますが全然安全じゃないです。せいぜいオートバイよりマシな程度です。おそらく、40年ぐらい前のエアバッグやABSのないボルボやベンツやアメ車のほうが安全です。
 
その根拠とは?
 
高速道路で10トントラックに踏んずけられて、ペチャンコになっている軽自動車を見れば一目瞭然ですな。
乗っていた人がどうなったのかを考えただけで暗澹たる気持ちになるぐらいグチャグチャになった軽自動車の残骸に、虚しくエアバッグが膨らんでいる様子とか、心の中に一陣の秋風が吹き抜けたかの如く切なくなりますです。
 
まあ、10トントラックは極端な例ですが、単純に自動車なんて図体がデカければ安全で、小さいと危ないのです。この絶対的不文律を変えるには、地球外知的生命体かドラえもんに頼むしかないです。
 
直接衝撃を受けた部分と中の人の距離が近くて、走行性能を維持するために軽く作らなくてはならないので、ボディの鉄板は薄く、フレーム・シャシーは細くなるので構造上の車体強度が自動車の中で最も弱いから、宿命として安全性が普通自動車に比べ劣っているのです、軽自動車って。
だから、エアバッグとかABSとかいくら付け加えても、あんまし意味がないのです。
 
でもまあ、単なる移動手段と割り切れば、ターボなしの安い軽自動車で問題ないから良いのですけど。
この手の車両価格が安い軽自動車は、所得証明書の提示で税金の減免措置があってもいいと思うです。で、ターボ付の充実装備で200万とかするのは税金高くて良いと思います。
 
そもそもスズキという会社は、GSX1100Sというオートバイを造るため「だけ」に存在した会社であり、その目的はとっくに果たし役目を終えたのだからら明日にでも潰れて構わないのです。
生き残りたければ、市場を日本ではなくアジア・アフリカ・南米とかにシフトすれば良いのです。
よーワカランがTPPですし。売れると思いますよ。たぶん。
 
ちなみに私が修理しているオートバイ、排気量は1300ccですが自動車税は年間4000円です。
このように、日本の自動車関係諸税は本当にヘンなのです。