直六国防挺身隊

母は来ました今日も来た。嫁をイビリに今日も来た。

ほう、虫ケラも痛みを感じるのか?

ゲンゴロウと言えば、重装甲・高機動を誇る肉食性水棲昆虫ゆえ、他の生体を襲うイメージが強いのですが、実際は随分と様子が異なるです。
基本的に、生きている相手には興味がない、と言うか動いている相手を捕まえられないっぽいです。

そもそも目が悪いんでしょうね。
臭いで「ここいらに食べ物がある」とわかっても、目の前の冷凍赤虫に、半分くらいの確率で気が付かない。
だから、エサの周りをうろうろするばかり。で、空気切れを起して、慌てて水面に猛ダッシュ
その隙に、ミナミヌマエビ達がちゃっかりと冷凍赤虫をムシャムシャ。

見ていて非常にじれったい。

それと、本やネットで書かれている程、泳ぐのは得意ではない。
まあ、元はオサムシですからね。
真っ直ぐに泳ぐ分には結構なスピードが出るのですが、魚のようにそこから素早く方向転換とか急停止とかできない。だから、水底や流木にやたらと激突する。
そもそも、推進力の要である毛の生えたオール状の後ろ足、あれ、微妙な速度調整とかできないんでしょうね。自動車やオートバイのミッションに例えると、ローとトップしかないみたいな感じ。
幅の狭い水草の間などを、ぶつからないようにゆっくり泳ぐ際は、中足をジタバタさせながらヨチヨチ泳ぐ。
つーか、羽根と胴体の隙間に空気を溜めているモノだから、水草や流木やヒメタニシにしがみついていないと浮いちゃうし。

見ていて非常にじれったい。

で、コレが一番の発見なのですが、ゲンゴロウってすごく臭いのです。

ゲンゴロウが甲羅干しをしていると、な~んか甘ったるい、発酵物とも化学薬品ともつかない、絶妙な悪臭が漂います。あんまり鼻の良くない私でも「こりゃ臭い」って感じるぐらい臭いです、陸に上がったゲンゴロウって。

結論としては、かなりマヌケな動物です、ゲンゴロウって。
なんか、タガメと並ぶ2大スター水棲昆虫にみたいに扱われていますが、実際はこの両者キャラが真逆です。
どーやらゲンゴロウの成虫の自然界における役割って、魚などの死肉を貪るスカベンジャー(掃除屋さん)みたいです。ハゲワシとかシデムシとか、あーいった感じのパッとしない奴みたいです。

まあ、漢字で書くと「源五郎」ですからね。どこの村の百姓だよと思っていたら、どーやら悪代官だそうです。
つまり悪代官の成れの果てが、ゲンゴロウという水棲昆虫なのです。
まさに自然の神秘ですね。

そんな自然の神秘のゲンゴロウ、準盲で泳ぐのが苦手なものですから、基本的に動きません。
そもそも夜行性ですので、昼間は流木の裏や浮草の陰に隠れて動きません。

見ていて非常にツマラン。

そこでミナミヌマエビですよ、奥さん。
いや~、コレはオモシロイ。見ていて飽きない。
エビですから、コイツラも基本的に夜行性みたいなのですが、昼間っから水草だの流木だのソイルだのの表面を、小さなハサミでせっせとついばんでいます。自我のないこやつらですから、本能のままに機械的に生きているだけなのでしょうが、なんともいじらしいと言いますか、生命の深淵さを切々と訴えているようで、実に風情があるのです。

で、殖えるのよ。既に我が家でも殖え始めております。
別段、繁殖のための設備や環境を手配したワケでもなく、勝手に殖えるのです。
何もせずとも、大きな達成感・お得感を味わえるミナミヌマエビ
しかも安い。
水棲生物ペットとして、極めて優秀です。

そんなワケでして、今やゲンゴロウ飼育は二の次で、ミナミヌマエビ飼育が私の目的と化しております。

次が最後ですね。