虫ケラの分際で・・・
そもそも「コガタノゲンゴロウ」とは、どのようなゲンゴロウなのか?
小型のゲンゴロウです。
いや、ホント、これが正式和名らしいです。家にある昆虫図鑑にもそう書いてありますし。なんでも、県によっては条例で捕獲禁止の稀少な昆虫らしいです。
姿形も色も配色も一般的に認知されているゲンゴロウそのものなのですが、サイズが二回りくらい小さいのよね。
クロゲンゴロウっているじゃないですか、まんまゴキブリみたいな奴。あれと同じくらいの大きさなのです。
そんなワケでして、最初は「おお、実にコンパクト!これなら梅酒瓶で余裕だな」とか思っていたのです。
で、しばらくそんな感じで飼っていたのよ。
そんなある日、近所のオートバイ屋の爺様が我が家の前を軽トラで通ったついでに立ち寄ったのです。
で、組み立て途中のTL125Sについて、2人であーだのこーだのとダベっていたのですが、爺様、軒下の梅酒瓶に気付きました。
「なんじゃいこれ?」
「ゲンゴロウ」
「これじゃダメだよ」
と、ありがたいダメ出しを賜わりました。
まあ、実際、なんか水は黒ずんで臭いし、アオミドロは絶好調だわ、悲惨な状態でしたからね。
水替えを毎日していれば問題なかったかもしれないのですが、私のやる事ですからね。週に2~3度くらいしか水替えせんかったのです。
それにゲンゴロウって肉食で、しかも魚のように丸のみではなく顎でガシガシ齧りながら食べるものですから、食べこぼしが多いのよ。だもんだから、余計に水が汚れるのよ。
こーして梅酒瓶の限界を悟った私は、ちゃんとした水槽を購入する決意を固めたのであります。
それは同時に、使い道のない梅酒瓶の有効活用という、本来の目的から完全に逸脱した瞬間でした。
置き場所は、KZ1300A1のエンジンが鎮座していた玄関の土間。
かと言って、直に置くワケにもいかんので、水槽台が必要です。
・・・・・・・・・・・。
なーんか違うんだよね、スチール製の安い奴って。
ほうほう、ツーバイフォー材の自作モノってあるのね。そんなに高くないし、コレにすっか?
送料は・・・、うん、見なかった事にしよう。
つーか、これなら自分で作っちまったほうが安くていいじゃん。
つー事で、水槽台製作プロジェクトがスタート。
材料はツーバイフォー材ですからそんなに高くない。ホームセンターで購入し、ついでに寸法通りにカットしてもらい、ついでに木ネジも買って、全部で3000円くらいでしたです。もうちょっといったかな?
家に帰ったら早速組み立てです。ところが、ここで思わぬハプニング!
電動ドライバーのバッテリーが死にやがった・・・。
こーして、バッテリー代4000円が加算されます。
数日後、バッテリーが届き、気を取り直して組み立てだ!
そんな矢先、「待てよ、このまま組み立てたら、接合部分にニスが塗れないではないですか」と気付いてしまったのです。
ニスを塗るのは当初の計画だったのですが、接合部分の事までは気が回らなかったのです。
そんなワケでして、再度ホームセンターへGO!なのです。
すると何故か、オイルステンも購入。
ハケ塗りでキレイに仕上げる自信がないので、油性のニススプレーを購入。
合計で約5000円が加算されます。
そこからは一気に、とは行かず、ダラダラ作業して1週間後にようやく水槽台が完成。
うむ、なかなか上手くいきました。ホントかよ?
いずれにせよ、送料込みでも完成品を購入したほうが安く済んだという、私にありがちなオチがつきました。
こーしてようやく水槽を買うのですが、さてさて。
最近の水槽は枠がなくて随分とオシャレでハイセンスだなあ。
40代後半の、チビ・ハゲ・デブの不潔で臭いオッサンが、オシャレライフを志向する事ほどオゾマシイものはございません。、
「最も安いニッソーとかの普通の水槽でいいや」とか思いながら、ヤフオクをボーッと眺めていた私の目に、驚愕の出品が飛び込んできました。
私と同じか上の年代の人ならご存知だと思いますが、昔の水槽って枠がステンレス製なのよ。
今の水槽の枠って、上面と底面の横枠だけで、縦の接合部分は樹脂?かなんかだけで固定されているじゃない。
ところが、このステンレス枠水槽、縦の接合部分もステンレスの枠が渡らせているのです。それがなんとも重厚というか、野暮ったい風情がありまして。
なんか学校の理科室とかに置いてあるのが一番しっくり来るという、デザインとかオシャレとかとは隔絶された、悪い意味での至高の水槽なのです。
そりゃアナタ、私のハートが鷲掴みされるのも当然で、間髪入れずに入札です。
こうして新品のステンレス枠水槽が、今はなきトモフジの当時物ステンレス枠水槽が、小豆色のスケルトンボディのブクブクと、趣のある厚紙製の箱に納められたバイメタル式サーモスタットと共に、我が家の住人に加わったのです。
実にめでたい。
こーなると、ステンレス製の観賞魚用蛍光灯、それもチューリップ柄の切り抜きに赤と緑の色つき樹脂がはめ込んである奴とか、円筒形の青色の投げ込み式濾過器、そうだ水槽の壁面に吸盤で取り付ける最初期の連結式水作フィルター、そーいったモノらも欲しいいですなあ。
この時点で、梅酒瓶の有効活用どころか、「ゲンゴロウ飼育」という核心さえ忘却の彼方に消え去っていったのです。
まだ続きます。