直六国防挺身隊

母は来ました今日も来た。嫁をイビリに今日も来た。

長いモノには巻かれましょう

まあ今回の日本の集団的自衛権の行使、要するに「アメリカ様の正義の戦争に日本も参加する」って事ですな。

日本が軍事同盟を締結しているのはアメリカ様だけ。だから日本の集団的自衛権の行使は、アメリカ様にのみ適用されます。
基本的にアメリカ様に正面切ってケンカを吹っ掛ける国なんて、世界中を探したってないです。だから普通なら、日本が集団的自衛権を行使することは100%ないはずです。

一方、どこかの国が日本に攻めて来たら、日本が憲法で交戦権を認められていなくても、代わりにアメリカ様が日米安保に基づいて、日本に攻めてきた国を世界地図から消し去ってくれます。
このように日米安保があるお蔭で、アメリカ様=日本ですから原則、日本がどこかの国に攻められる事はありません。

現実がこうした状況ですから、実は日本国憲法がどんなにアホな内容でも、堅持しようが、改正しようが、どーでも良かったりします。むしろ、日本国憲法の致命的欠陥を補うため日米安保がある、そー考えるのが正常です。

で、話が元に戻って、なんでアメリカ様や日本が外国から攻められる可能性が極めてゼロなのに、どーして集団的自衛権の行使なの?という事になります。

だってアメリカ様、ストレス発散のため定期的に、世界のどこかにノコノコ出掛け戦争するのですもの。
いわゆる「世界の警察たるアメリカ様の正義の戦争」ですね。

最近のアメリカ様はオバマさんのお蔭で、こうしたイジメ行為を自重しています。しかし、次は間違いなく共和党政権ですから、戦争しまくると思います。特にシリアやウクライナの関係で、アメリカ世論もストレスがマックスですからね。

アメリカ様が戦争するのって、基本的に自分の都合だけです。全然「正義」じゃありません。
自分に逆らうヤツへの粛清・見せしめ、軍事産業アメリカ経済のカンフル剤、国民のストレスを発散・現政権の支持率上昇などなど。
感覚的に「国内政策」なのでしょう、アメリカ様にとって他国の国民を虐殺して、国土を焼き尽くす事なんて。それでアメリカ様の株価が1セントでも上昇すれば万事OK!みたいな。
実際、第二次世界大戦後、アメリカ様がちょっかい出した国、ほぼ例外なくカオスになっていますし。

そんなアメリカ様の正義の戦争に、日本が「USA!USA!USA!」と大声援を送りながら、露骨に人殺しも含めて一生懸命お手伝いして、アメリカ様の負担を減らす。これが集団的自衛権行使の目的です。

当たり前ですが、アメリカ様は基本的に世界中の嫌われ者です。まんまジャイアンですからね。で、集団的自衛権の行使により、日本はスネオ的な立場である事を、より明確に全世界にアピールする事になります。そんなワケで、日本を嫌う国が増えるでしょう。
しかし、だからどーした?

アメリカ様が普通の軍事超大国ならまだしも、アメリカ様VSロシア・中国を含めた残りの全世界で戦争しても、アメリカ様って勝っちゃうのです。世界の軍事費総額、アメリカ様「のみ」で約半分を占めているのですから。
日本が自ら戦争をせず国民や国土や国益を守るには、誰にも負けない・誰からもケンカを吹っ掛けられないアメリカ様の下僕になる以外に選択肢はないのです。

でもって事ここに至り、お金や土地や若いご婦人の操だけでなく、自衛隊の軍事能力や隊員の命も差し出せと、アメリカ様がご所望のようです。属国ですから、まあ、断れませんな。

もちろん、集団的自衛権の行使は憲法違反ですよ。でも、日本国憲法なんて日本だけの自分ルールなんかより、アメリカ様のご意向の方が遥かに日本の国益にとって重要です。
アメリカ様のご意向に沿おうとしたら、それを憲法が阻害します。だったらそんな憲法、さっさと改正しなさい。それが、日本の平和主義を貫くには不可欠です。

ヘンな話、今のオバマさんなら「申し訳ありませんが、日本は憲法九条があるので集団的自衛権の行使は勘弁してください」と言えば、案外、勘弁してくれるかもしれません。でも、次のアメリカ大統領は間違いなく共和党から出てきます。それに備える必要があるのです。

要はですな、新しい共和党の大統領さんに、「日本は憲法九条があるので云々」とか言おうものなら、「ふ~ん、そーなんだ」という事で、本当に日本がどこかの国に攻撃されても「その事態は日米安保の適用外」とされ、完全シカトされるかもしれませんな。
そんで日本人が、例えば中国人民解放軍第二砲兵部隊のICBMによって皆殺しにされ、日本なる国が消滅してから、「どれどれ、愚か者どもを粛清しますかいな」と、F22と B2による戦爆連合や第7艦隊を使って中国全土を焼き払い、十億人の中国人を唐揚げにするでしょう。
日本にしてみればそれじゃ遅いって。

そーならないためにも、日本は安全保障上、アメリカ様のご機嫌を損なう行為はしてはいけないのであります。アメリカ様から「重要なパートナー(自分に絶対服従の奴隷・金づる・ペット)」であると認めてもらわなければいけないのです。それが平和日本を堅持するための唯一の道です。

ええ、屈辱的ですよ。それに、せっかく戦後、良くしてきた日本の対外イメージも、全部台無しになるかもしれません。アメリカ様がヒャッハー!すればする程、「日本憎し」という国が量産されるでしょう。
とまあ、これが「集団的自衛権=戦争への道」って人々の理屈なのでしょうが。

ですが、同時に完全な八方美人でいられる事は、国際社会では不可能です。
つーか、すでに戦後日本が一度も戦争しなかった理由は、アメリカ様による「力の恫喝」なワケですし。

ペレストロイカとか、ベルリンの壁崩壊とか、私はリアルタイムで「冷戦終結」を体感した世代です。当時の私は冷戦構造に絶望していた純情で多感な青少年でしたから、「ああ、本当に世界から戦争がなくなるんだ」と思いましたよ。天安門事件も見ましたが、「時間が経てば中国も良いほうに変わるだろう。朝鮮半島もドイツみたいに統一するだろう」と夢見てました。

それから四半世紀が経過。で、今現在、世界はこの体たらく。

結局、世界は「アメリカ様の仲間・手下」と「それ以外」に二分されたまま。イデオロギーという明確なお題目がない分、冷戦時代より性質が悪い状態です。
特に、アメリカ様の影響力の低下と、中国の台頭・ロシアの復活という、さらなるカオスが予想されております。しかも、アラブ世界の大混乱。修羅の大陸と化したアフリカ。成熟を通り越して腐り始めたヨーロッパ諸国。ホント、この先どーなっちゃうんでしょうね?

正直、アメリカ様に盲目的に付き従うからって、日本の安泰が未来永劫にわたって保証されるって事はないでしょう。

この先もアメリカ様に付き従うのであれば、アメリカ様の影響力低下を補完するため、日本は人・物・金を従来以上に貢がなくてはいけません。当然その中には「自衛隊員の命」も含まれます。まあ、自衛隊員は「お国のために死ぬ」との覚悟があって、自らの意志で入隊したのですから構わないでしょう。実際には「お国のため」でなく、「アメリカ様のその場限りの都合や気分」で死んでいくのですが。そんな命がけのご機嫌取りが、アメリカ様の属国には求められるのです。それを拒否すれば、「お仕置きだべえ~」と滅ぼされるだけです。そーならないためにも、改憲して臨機応変アメリカ様のご要望に応える必要があります。

中国なりロシアなりと組むにしても、アメリカ様と対抗できるよう中国・ロシアの軍事力を補完するために、日本は改憲して「普通に戦争できる権利」と、今の自衛隊の何倍もの規模の軍事力を保有しなくてはなりません。そーゆー事が、GDP1%の軍事費で世界第6位になってしまう日本クラスの国家になると必ず求められます。日中露なら、意外とアメリカ様とタメ張るかもしれません。まあ、そーなったらおそらく第三次世界大戦でしょうな、たぶん。でもって日中露が負けるでしょうが。つーか、人類滅ぶでしょう。

スイスみたいにどこの勢力にも属さないのであれば、世界第3位の経済大国である日本は改憲して、「簡単に戦争できる権利」と、アメリカ様に次ぐ規模の軍事力と核兵器保有しなくてはなりません。アメリカ様・ロシア・中国・北朝鮮と、核保有国に囲まれている世界第3位の経済大国である日本が、永世中立国として独立を維持するためには、そのくらいの軍事力が必要ですよ。そんな狂犬みたいな国が世界中を相手に仲良く商売するのって、どれだけ無理ゲーなんでしょうね。つーか、アメリカ様に一切の資源・食糧の元栓閉められて「ハイお終い」でしょうな。太平洋戦争に至った当時の大日本帝国と同じです。

・・・なんか、どの選択肢も絶望的なまでに憂鬱ですなあ。
結局、現時点ではアメリカ様の下僕に徹するのが一番マシでしょう。つーワケで私は、アメリカ様のご機嫌を損なわないという理由だけで、集団的自衛権行使に賛成なのです。

全く、「長いモノに巻かれろ」って言うだけで、どんだけ駄文を垂れ流せば気が済むんでしょうね。

たぶん、次が最後なのです。