直六国防挺身隊

母は来ました今日も来た。嫁をイビリに今日も来た。

粛清犠牲者第一号

昨日の事なのです。
オートバイのエンジンをかけ、充電状態をチェックしたのです。
すると、排気音がパンパン言います。ガスが薄いのですな。
 
で、油面を測ってみました。1・2番、3番・4番、5・6番とも全部1cm以上も低くなっています。
サービスマニュアルの指定は6.5~8.5mm。
おかしいなあ、前に調整したのだけれど・・・。
 
とりあえず、キャブを外して、フロートの爪を下げてみました。
で、元に戻して、キーをONにして再度、油面を測ってみました。
あわわわわわわ~。
さらに油面が下がっています。どーゆーこっちゃ?
 
とりあえずビールを飲んで落ち着きましょう。
 
ビールを飲みながら、じ~っとKZ1300を眺めます。やがて視線が、ブリーザーホースの向こう側の一点に集中します。そこには、オリーブドラブ色の憎いあんちくしょうがいたりします。
 
Z/KZ1300には、ガソリンタンクとキャブレターの中間に、燃料フィルターのような形の物体があります。
なんなのでしょうね、コレ。
燃料ポンプ?いえいえ違います。
 
例えば、新しめのオートバイの場合、燃料コックが負圧式になっています。つまり、エンジンがかかっていないと、ガソリンがキャブレターにいかないようになっています。
 
ところが古めのオートバイの場合、燃料コックが単なる切り替えコックですから、エンジンがかかっていなくても、ONやRESの状態だと、ガソリンがジャブジャブとキャブレターに流れ込み続けます。
これだと、コックをOFFにせず保管してしまうと、なんかの拍子で燃焼室にガソリンが垂れ流しになります。これはよろしくない。
 
という事で、Z/KZ1300には、「電磁式燃料バルブ」なるハイテク装備が付いています。
 
この部品、キーがOFFだと電気が来ないので弁が閉じたまま。ONになると、電気が通じて弁が開くという代物。
これが、タンクとキャブの中間に鎮座する、謎の物体の正体です。
流石、当時の川崎重工のフラッグシップ、弁の開閉をする「だけ」の部品に、無駄なコストをかけています。
他の追随を許さない、最先端を誇る、安心・安全の高級豪華な充実装備であります!
 
いやいやいや。普通に負圧式の燃料コックにしろよ。
確か、同年代のカワサキ車であるZ1000MKⅡとかって負圧式の燃料コックでしょ・・・。
 
で、ブリーザーホースを外して、エアクリーナーボックスに固定されている電磁式燃料バルブを外します。
そんでもって燃料ホースを差し込むところバラします。すると弁が晒されます。
燃料通路を塞ぐ役割を果たすゴムだけを、とっとと外します。で、組み立てて、元に戻します。
これで「電磁式燃料バルブ」は、「単なるホースジョイント」に生まれ変わりました。
キーをONにせず、油面を測ります。
全部、ぴったり7mmでしたとさ。めでたしめでたし。
 
たぶん、電磁式燃料バルブが壊れていたのでしょうな。セルが回って負圧がかかると、かろうじてガソリンがキャブに流れ、どうにかエンジンがかかっていたとか、そんな感じだったのでしょう。
むしろ、これでよくエンジンかかっていたなあ・・・。
まあ、どーでもよろしい。
この部品、私の粛清者リストに記載されていましたから。
 
Z/KZ1300には、こーしたトンチンカンな部品が結構あったりします。で、中にはこの電磁式燃料バルブみたいに、壊れると意外と困ったりする部品もあるワケでして。
 
純正部品の供給が絶望的なオートバイの場合、完全オリジナルにこだわる人以外は基本、構成部品数は少なくするのがベストだと思うのです。壊れる箇所が減りますからな。
だからと言って、「パンク防止のためタイヤを外そう!」みたく、何でもかんでも外してしまうと、ちゃんと走らなくなるので、その辺りはイロイロ考えなきゃいけません。メンドクサイのですが、まあ、それもまた一興。
 
そもそもZ/KZ1300、ノリがカシオの電卓付き腕時計とかと同じで、設計段階での力の入れ方が斜め上にいちゃっているオートバイだと思いますです。見た目は木目の家具調ブラウン管テレビみたいで、中身は現在では完全に廃れた当時のヘンテコリンなハイテク機能満載、みたいな感じですかね。
一般的に、そーゆー物体は「ダサい」「気持ち悪い」と呼びます。
 
まあ、だから良いのですが。