直六国防挺身隊

母は来ました今日も来た。嫁をイビリに今日も来た。

当事者でもないのに「風化させるな!」という人は信用しない方が良いですよ

だいたいちょうど5年前、私はテレビを観ていました。
すると地震です。

「お、デカイな」とか思っていたら、だんだん揺れは大きくなり、収まる気配がいたしません。
「あ、これはヤバイ奴だ」とひらめいて、慌てて屋外に脱出。どのくらい慌てていたかというと、サンダルを履くのも忘れるぐらい。庭には砂利と砕石が敷いてあるので、足の裏が痛いのなんの。

で、我が愛しき平屋のボロ借家がグワングワンと揺れておるのです。
お向かいのお店の兄ちゃんも、私と同様に血相変えて飛び出してきました。
お隣のお宅のブロック塀がボロボロと崩れます。電信柱がシェイクして、電線はウェーブしまくりです。

いやはや、ホントにびっくらコキましたです。

地震が収まり、屋内に戻ると意外と無事でした。ただ、台所の食器類の半数が投身自殺しておりました。
初代のZ1300を手放していたのが、不幸中の幸いです。センタースタンドで置いていただろうから、間違いなく倒れていた筈です。

まあ我が家は、市の内陸最深部ですから、津波被害とかなかったのですが、海沿いは悲惨な状況だったようです。

電気は点きません。水道も出ません。
実家や仕事相手や茨城の知人に電話しましたが繋がりません。

こりゃヤバイ。近所のタクシー屋さんに歩いて行ってみましたが、タクシーは出せないとの事。
そんなワケで、自転車でJR勝田駅にGO!なのです。半分、物見遊山の心境でしたが。

道中、非日常な光景が目に飛び込みます。
あちこちのブロック塀は倒れ、信号機は傾いています。古いコンクリの3階建てが、1階部分が潰れて
2階建てになっておりました。

駅に到着すると、駅前の雑居ビルの看板が崩落し、道路で無残な姿を晒しています。そんなこんなで、常磐線は当然ならストップ。

脱出の手段が絶たれた事を確認し帰宅。
相も変わらず水も電気もパー。
トイレは風呂の残り湯で流し、水の代わりに大量に備蓄してあるお酒をガブガブ。
ろうそくを灯し、ラジオを聞き、震災当夜はとっとと就寝です。

でですな、ここから記憶があやふやなのですが、翌日になってようやく電話が通じて、東京への脱出の算段。
電気は復旧したが水はダメ。とにかく、水が使えないというのはホントに大変です。

そんでまあ、震災から2~3日後に知人の自動車で東京に脱出したワケで御座候。
東京では毎日、ネットで市のHPで水道の復旧状況をチェック。
結局、1週間ぐらい経って、ようやく茨城に帰還を果たしたのであります。

とまあ、私の被災体験を思い出してみました。
ホント、記憶がかなり欠落している事に気付きました。当時、ちゃんと記録しておけば良かったです。

も、まあ、忘れるぐらいですから、私にとっては大した出来事ではなかったのでしょうなあ。「地面がすごく揺れて、不便な生活を数日経験した」だけの事だったのでしょう。

実際、独身だから奥さんや子供が死んじゃう事もないですし、借家暮らしだから家が潰れても関係ないし、貧乏だから財産なんかないですもん。失うモノがない寂しい貧乏人って災害に強いのですね!
あひゃひゃひゃひゃ~。
オヤッ?どうしたのだろう?涙が止まらないぞ。

よく、災害とか戦争とか悲劇とか「風化させるな!」って言うじゃないですか。
コレってどーなのよ?
いやね、京都の人が「応仁の乱を風化させるな!」、東京の人が「明暦の大火を風化せるな!」って言ってんなら、そーなのかしらって気もするけど。

いやいや、万事物事は風化しますよ。残るのは記録だけです。記憶は残りまっせん。だって人間、いつかは死んじゃうもん。

例えばさ、広島・長崎の原爆とか、たぶん人類史上最大級の悲劇であり蛮行だと思いますです。でも、風化しますよ。実際に被爆した人たちはどんどん死んじゃって、いずれはいなくなります。
当事者がいなくなった後は、原爆を体験した事がない連中の妄想上の悲劇譚が残るだけ。まあ、それはそれでいいのでしょうけど。結局は、腐れサヨクの洗脳アイテムとして利用されるだけでしょうが。

う~ん、何だろう。記録だけが残って歴史になっちゃうんですよ。それが自然な成り行きだし、正しいと思います。

ついさっきまで、東日本大震災の原稿書いていたんですよ。
で、福島県の人にも、いろいろな思いがあるのです。

風化させてはならんと思う反面、マスゴミとかがはしゃぎながら「ミスで放射能が漏れたのを東電が隠蔽」的な報道を垂れ流され続けるのなら、さっさと風化しちまえみたいな。

いや、ホントに原発関係で問題があれば報道するのは当然だと、皆さん、口を揃えておっしゃいます。
問題は、それ以外はまったく報道しないマスゴミの姿勢なんですって。深刻ぶったバカ面ぶら下げているキャスターとか論説委員に「東日本大震災を風化させてはならない」とか言わせたり書かせたりするなら、福島県全地域を定点観測して毎日それを報道して欲しいみたいです。

要は、悪い部分も良い部分も正確に、包み隠さず公平に報道して欲しいという事らしいのです。
そーしなきゃ、本当の福島県の現状を誰も知ることができないし、アホな誤解ばかり生じて信頼回復できないんですって。

まあ、マスゴミの印象操作・意図的隠蔽体質には、東電も霞が関も敵いませんからな。
つまり、福島県の人々のささやかな願いが叶う事はありません。

そしてね、皆さん「自分らの中じゃ原発事故の完全終息までは絶対に風化しない。だから風化した時が本当の復旧・復興」って言うのですよ。
そりゃそーだろうな。私とは被災体験のレベルが違いますからな。つーか、東京とかの帰宅難民?奴らが被害者面してたのが異様に腹立つです。

つまり、外野が安っぽい同情心で「東日本大震災を風化させるな!」って喚いても、単なる害毒です。外野は無責任に「原発が~放射能が~」って煽るだけですからな。特にマスゴミ
だからホント、世間全体としては東日本大震災、さっさと風化しちまえば良いと思います。誰かに「風化しろ」と命令されても、家族や友人を失った人達や、原発事故によって現在進行形で苦しんでいる人達にとっては、絶対に風化しないのです。それで良いと思います、私は。

アナタが心から東日本大震災を風化させるな!」と思うなら、実際に現地に入り、そこで暮らしている人々や地域の行政・関係機関を取材して、それをネットでも何でも良いから発信するべきですよ。それを毎月、継続的に、死ぬまでやり続けるのですな。
その覚悟がなければ、本日、青森から千葉までの太平洋側に住んでいる人以外、気安く東日本大震災から5年・・・」とか言葉にしないように

と、思います。