直六国防挺身隊

母は来ました今日も来た。嫁をイビリに今日も来た。

レストア論

レストア(リストア、英: restore=回復する)は、老朽化などの理由により劣化もしくは故障した、自動車、オートバイ、鉄道車両、航空機、時計、ラジコンモデル、ゲーム機等を修復し、復活させること。

・・・とウィキペディアには書いてあるのですが、随分とあやふやですな。
あやふやと言うより、なんか世間一般の「レストア」とはイメージが違う気がするのです。

動かない機械を動くようにするだけで良いのであれば、不動車を動くようにして売るなんざ、多くのオートバイ屋さんや自動車屋さんがやっています。まあ、できないお店もたくさんありますけどね。

オートバイ屋さんが仕入れた中古車、エンジンがかからない事なんかしょっちゅうですからね。

つーか普通、車両を仕入れる、在庫で放置、成約、たいていエンジンがかからない、整備で復活、納車。
もしくは、
お客さんが車両を指定して成約、お店が車両を探す、仕入れる、たいていエンジンがかからない、整備で復活、納車。

まあ、古いヤツとか外車とか、ヘンテコリンなオートバイが売られていく流れって、これが普通ですよ。
逆に2~3年落ちの国産の中古車がコレだとマズイのですが。

バッテリーが上がっていたり、キャブが詰まっていたりとか、ツマラン理由が大半だったりますが、とりあえずエンジンがかかって動くようにすれば、ウィキ殿がのたまう「回復」させたことに相違ないので、レストアなのでしょう。

要は、いわゆる「中古車起し」なる行為は、全て「レストア」になっちゃうってワケですな。

でも、「レストア専門店」なるものが存在する以上、そーいった普通の中古車起しと差別化されているはずと思うのです。

なんですと?そもそもアノ手のお店が自称しているだけで、単なる中古車起しをレストアと称し法外な工賃を請求。しかも腕が悪くて作業のほとんどが外注任せだから時間もコストも余計にかかる。そーいや、脱サラ系の素人がアノ手のお店を始めるケースが多いような・・・うわなにをするやめ

実際、オートバイ・自動車に関わらず、ヘンなレストア屋さんも確かに存在しましたです。でもまあ、20年ぐらい昔の話ですから、「失われた20年」の不況のお蔭でほとんどが淘汰された事を祈るです。

言葉なるものは、ニュアンスと言うか、イメージと言うか、個々人によって意味合いや重さが違うと思うのです。
とりあえず動くようにする事をレストアと呼ぶ人もいれば、中身はグズグズでも外見だけは新車みたいにピカピカならレストアと呼び販売するお店も・・・うわなにをするやめ

「完全に新車の状態にする」と言う完璧主義をこじらせてイカれてしまった人もいますです。そーゆー人が個人レベルで己が信条の赴くままネラカーのレストアとか始めると、代替品は一切認めない純正部品オンリーという絶望的な縛りプレイになるから、大概、らっきょの皮むきで終わりがありません。

でも、まあ、最も正しいレストアとは思うです。ただし、これが可能なのは大資本・公的な博物館レベルの話だと思うです。要は、姫路城の修復工事と同レベルの事業という事ですな。
それを個人で追い求めるのは確かに浪漫ですが・・・

てなワケでして、いわゆる一般的なレストアとは「中身も外見も可能な限り新車の状態に戻す」行為を意味するのでしょうなあ。妥協の産物ですよ。

でもってこの場合の「可能な限り」が人それぞれ。考え方や価値観、本人の技量や経済力や人脈によって千差万別でしょう。レストアという言葉の意味はそれなりに重いとは思いますが、所詮は道楽ですからね。個々人がそれぞれ楽しめて満足できれば良いと思うです。
私はレベルが低いから此度のZ1300、せいぜい「バブルの頃の店頭に並んでいても、さほど違和感がない中古車」をめざす事にしていますです。

そーいや先月、自動車屋さんから聞いた話ですが、最近、レストアで車両を預かっていると、作業が完了する前にオーナーさんが死んじゃう事例が増えてきたそうです。
実際、ちゃんとしたレストアって時間がかかりますからね。だからインチキ業者に付け入る隙を与えちゃうんですけど。

そーいや最近、年金生活者とかがペットでオウムを飼いだしたのはいいけれど、飼い主が先に死んじゃうケースが増えているそうです。コンゴウインコとかって80年ぐらい生きるのですよ。で、飼い主を失ったオウムさんたちは保健所で処分・・・すごくイヤな話です。

かわいい動物さんの命に比べれば、オートバイや自動車なんてクソの値打ちもありませんが、それでもナックルヘッドやジャガーのEタイプが中途半端な状態のままペチャンコにされ、鉄屑として海外に売られていくのは忍びないです。

さらにはその逆も。叩き上げのメカさんや、板金職人の鑑や、機械加工の達人や、溶接の神様とかが、高齢を理由に引退したり、寿命が尽きてあちらこちらでバタバタ死んでいるそうです。だから、仮にお店が残っても、レストア作業の継続が不可能ってな事もあるそうです。
そーいやヤマダめっきさん廃業したなあ。どーしよう・・・

まさに、少子高齢化社会の闇ですなあ。違うか。

でもまあ、若いからって明日も生きているって保証もないですし。つーか、レストア首謀者本人が死ぬかもしれませんし。

そー考えると気の長い道楽って、ある種の負債を残す行為なのかもしれませんです。
近所に盆栽好きの爺様がいてですな、庭にずら~っと松だの梅だのの盆栽が並んでいるワケでして。爺様が死んだらアレらの盆栽、どーなるんでしょうね?

売るという方法もあるでしょうが、まあ、遺族にしてみればメンドクサイ。そもそも爺様の思い出の品だから、処分するのも忍びない。かといって数があるから世話をするのも大変だ。
ヘンな借金とか、愛人との隠し子とかに比べれば随分とマシなのでしょうけど、面倒を残すワケですから、道楽人として考える必要があるかもしれませんです。

まあ、私は独り身ですから関係ありませんが。あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ。
おや?どうしたんだろう?涙が溢れてきた。